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ChatGPTを使いこなす!効果的なプロンプトの書き方10選

ChatGPTからより良い回答を得るためのプロンプトテクニックを、具体例とともに解説します。

プロンプトエンジニアリングとは

ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)から望む回答を得るために、入力文(プロンプト)を工夫する技術を「プロンプトエンジニアリング」と呼びます。適切なプロンプトを書くことで、AIの能力を最大限に引き出すことができます。

同じ質問でも、プロンプトの書き方次第で回答の質が大きく変わります。この記事では、すぐに使える具体的なテクニックと例文を紹介します。

基本テクニック

1. 役割を与える(ロールプレイ)

AIに特定の役割を与えることで、その分野の専門家としての回答が得られます。

役割を与える例
❌ 曖昧なプロンプト
"JavaScriptのエラーを直してください"

✅ 役割を与えたプロンプト
"あなたは10年以上の経験を持つシニアフロントエンドエンジニアです。
以下のJavaScriptコードのエラーを特定し、修正案を提示してください。
また、なぜそのエラーが発生したのか、初心者にもわかるように説明してください。"

【その他の役割例】
 "あなたはベストセラー作家です"
 "マーケティングの専門家として回答してください"
 "あなたは優しい先生です。小学生にもわかるように..."

2. 具体的な条件を指定する

出力形式、文字数、対象読者などを明確に指定しましょう。

条件指定の例
❌ 曖昧なプロンプト
"Reactについて教えてください"

✅ 条件を指定したプロンプト
"Reactの特徴を説明してください。

【条件】
・対象読者:プログラミング初心者
・文字数:500文字程度
・形式:箇条書きで5つのポイント
・専門用語には簡単な説明を添える"

3. 例を示す(Few-shot prompting)

期待する出力の例を1〜3個示すと、AIの理解度が大幅に向上します。

例を示すプロンプト
"以下の形式で商品説明を作成してください。

【例】
商品名:ワイヤレスイヤホン
説明:通勤・通学のお供に最適!ノイズキャンセリング機能で
周囲の雑音をカットし、音楽に集中できます。
ターゲット:20〜30代のビジネスパーソン
キャッチコピー:「あなただけの静寂を、いつでもどこでも」

【作成してほしい商品】
商品名:スマートウォッチ"

4. ステップバイステップで考えさせる

「順を追って考えてください」と指示すると、複雑な問題でも論理的に回答してくれます。

段階的思考のプロンプト
❌ 単純な質問
"この数学の問題を解いてください"

✅ 段階的思考を促すプロンプト
"以下の問題をステップバイステップで解いてください。
各ステップで何を計算しているのか説明しながら進めてください。

問題:...

まず問題を整理し、必要な情報を確認してから
順序立てて解いていってください。"

5. 出力フォーマットを指定する

必要なフォーマットを指定すると、そのまま使える出力が得られます。

フォーマット指定の例
【マークダウン形式】
"以下の内容をマークダウン形式でまとめてください。
見出し、箇条書き、コードブロックを適切に使ってください。"

【JSON形式】
"以下のユーザー情報をJSON形式で出力してください。
{
  "name": "名前",
  "age": 年齢,
  "skills": ["スキル1", "スキル2"]
}"

【表形式】
"以下の比較内容を表形式でまとめてください。
列:機能名、無料プラン、有料プラン"

応用テクニック

6. 背景情報を提供する

なぜその質問をしているのか、どんな状況で使うのかを伝えると、より適切な回答が得られます。

背景情報を含むプロンプト
"私は中小企業の営業担当で、初めてプレゼン資料を作ることになりました。
上司からは「シンプルで説得力のある資料」を求められています。
プレゼンの相手は技術に詳しくない経営層です。

このような状況で、効果的なプレゼン資料の構成を教えてください。"

7. 制約条件を明示する

してはいけないこと、含めてはいけないものを明確にします。

制約条件の例
"健康に関するアドバイスを書いてください。

【制約】
・医学的な診断や治療の推奨はしない
・「絶対に効果がある」など断定的な表現は避ける
・必ず「専門家に相談してください」と添える
・科学的根拠のない民間療法は含めない"

8. 複数の選択肢を求める

比較検討できるように、複数の案を出してもらいましょう。

複数案を求めるプロンプト
"新しいWebサービスのキャッチコピーを考えています。

サービス概要:オンライン学習プラットフォーム
ターゲット:20〜30代の社会人

以下の3パターンで案を出してください:
1. 親しみやすい・カジュアルなトーン
2. プロフェッショナル・信頼感のあるトーン
3. ユーモアを交えた記憶に残るトーン

各パターン3案ずつ、合計9案お願いします。"

9. 対話で改善を繰り返す

一度で完璧を求めず、フィードバックを重ねて改善していきます。

対話で改善する例
【1回目】
"ブログ記事のタイトルを考えてください"
→ AIが5案を提示

【2回目(フィードバック)】
"2番目の案が良いですが、もう少しキャッチーにしてください。
また、数字を入れたバージョンも試してください。"
→ 改善版を提示

【3回目(さらに調整)】
"「5つ」は多いので「3つ」に変えてください。
また、ターゲットが明確になるよう「初心者向け」を追加してください。"

10. ネガティブプロンプト

不要な要素を明示的に除外することで、望む結果に近づけます。

ネガティブプロンプトの例
"ビジネスメールの文例を作成してください。

【含めないでください】
・過度にカジュアルな表現
・絵文字
・英語のビジネス用語(カタカナ語)
・長すぎる前置き
・二重敬語"

よくある失敗パターン

プロンプトを書く際に陥りやすい失敗パターンを知り、より効果的な指示を出せるようになりましょう。

失敗パターン比較表

失敗パターン問題点改善例
曖昧すぎる指示何を求めているか不明確具体的な条件・形式を指定
情報の詰め込みすぎAIが混乱し優先順位がわからない段階的に質問を分ける
前提条件の省略的外れな回答が返る背景情報を明記
期待する出力形式の未指定使いにくい形式で出力されるフォーマットを明示
一度で完璧を求める満足度が低い対話で改善を繰り返す

具体的な失敗例と改善

失敗例1:曖昧すぎる
❌ 曖昧なプロンプト
"プログラミングについて教えて"
→ 範囲が広すぎて、何を知りたいのかAIが判断できない

✅ 改善されたプロンプト
"プログラミング初心者が最初に学ぶべき言語を
3つ挙げて、それぞれの特徴と学習リソースを
表形式でまとめてください"
失敗例2:情報の詰め込みすぎ
❌ 詰め込みすぎ
"Webサイトのデザインを考えて、SEO対策して、
コードも書いて、サーバー設定もして、
マーケティング戦略も立てて..."
→ 焦点がぼやけ、どれも中途半端になる

✅ 改善されたプロンプト
"まずWebサイトのデザインコンセプトを
決めたいです。以下の条件でデザインの
方向性を3案提案してください。
[条件を記載]"
→ 1つずつ段階的に進める
失敗例3:前提条件の省略
❌ 前提なし
"おすすめのフレームワークは?"
→ Web?モバイル?バックエンド?何のため?

✅ 改善されたプロンプト
"私はPython歴1年のWeb開発者です。
個人開発でECサイトを作りたいのですが、
フロントエンドフレームワークのおすすめを
学習コストと機能性の観点から教えてください"

注意:ChatGPTは「わかりません」と言わずに、何らかの回答を生成しようとします。曖昧な質問には曖昧な回答が返ることを意識しましょう。

シーン別プロンプト集

文章作成

ブログ記事作成
"以下のテーマでブログ記事を作成してください。

テーマ:リモートワークの生産性向上
ターゲット:在宅勤務1年目の社会人
文字数:2000文字程度
構成:
1. 導入(問題提起)
2. 課題の原因分析
3. 解決策(具体的なTips 5つ)
4. まとめ

トーンは親しみやすく、具体例を交えてください。"

プログラミング

コードレビュー依頼
"以下のコードをレビューしてください。

【確認してほしい観点】
・バグや潜在的な問題
・パフォーマンスの改善点
・可読性・保守性
・セキュリティ上の懸念

問題がある場合は、修正後のコードも提示してください。

[ここにコードを貼り付け]"

企画・アイデア出し

ブレインストーミング
"新規事業のアイデアを出すブレストを手伝ってください。

【現状】
・当社は文房具メーカー
・主要顧客は学生と社会人
・ECサイトでの売上が伸び悩み

【求めるアイデア】
・既存の強みを活かせるもの
・初期投資が小さく始められるもの
・デジタルとリアルの融合

まずは10個のアイデアを出してください。
その後、最も有望な3つについて詳しく掘り下げましょう。"

プロンプトの進化と未来

AIとの対話技術は急速に進化しています。現在のベストプラクティスと、これからの展望を見てみましょう。

プロンプトエンジニアリングの進化

世代特徴代表的な手法
第1世代単純な質問応答直接質問のみ
第2世代役割・条件の指定ロールプレイ、Few-shot
第3世代推論の誘導Chain-of-Thought、段階的思考
第4世代自己検証・改善反論生成、自己評価
未来マルチモーダル・エージェント画像/音声連携、自律タスク実行

注目の高度なテクニック

🔗

Chain-of-Thought

「ステップごとに考えて」と指示し、推論過程を明示させる

🌳

Tree-of-Thought

複数の解決策を並行検討させ、最適解を選択

🔄

Self-Refine

AIに自分の回答を評価・改善させる

🤔

Reflection

「反論を考えて」と指示し、盲点を洗い出す

これからのAI活用スキル

1
複数AIの使い分け

ChatGPT、Claude、Geminiなど、各AIの得意分野を理解して使い分ける

2
マルチモーダル活用

テキストだけでなく、画像・音声・動画も組み合わせた対話

3
AIエージェントとの協働

タスクを分解し、AIに自律的に作業させる新しい働き方

重要:AIは道具であり、最終判断は人間が行うという原則は変わりません。AIの出力を鵜呑みにせず、常に批判的思考を持って活用しましょう。

まとめ

プロンプトの書き方次第で、ChatGPTの回答品質は大きく変わります。ポイントは「具体的に」「明確に」「例を示す」こと。これらのテクニックを組み合わせて、自分なりの効果的なプロンプトパターンを見つけてください。最初は時間がかかっても、良いプロンプトは何度でも再利用できます。AIとの対話技術を磨き、生産性を向上させましょう。

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honualohak編集部

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